2020年12月7日に三輪達雄講師による
「ブータン王国という国」と題した講座が柏市立豊小学校で開催されました。
受講者は小学校6年生全員103名(男性 61 名、女性 42 名)でした。
まずJICAの活動、ボランティアとは何かということから話され、その後、自己紹介の中で獣医師という職業について説明されましたが、
生徒たちはちょうど将来の職業について学んでいたところだったので興味深く聞いていました。
その後、ブータンの概要、ブータンの風景や生活について、多くの写真を用いて紹介されました。また、「国民総幸福」という指標を
国の目標にしていることや仏教の不殺生戒を信じていることなど、そのユニークさについても説明されました。
普段の生活では、接点の少ないブータン王国の理念や国土、文化など様々な特色を話していただき、非常に勉強になりました。
また、三輪氏の体験をもとに話していただけたので、世界との繋がりは自分たち次第でいくらでも作ることができると子ども達なりに
感じることができたのではないかと思います。今ちょうど社会科の授業で、様々な国の文化について学習しているので、
外国への関心をさらに意識づけることのできる、貴重な機会だったと感じました。
以下講義内容を示します。
自己紹介では、三輪氏は牛専門の獣医をしていたこと、共同組合を作る手助けのために定年後、2年間ブータン王国へ
JICAシニアボランティアとしてに行ったことが紹介されました。
獣医師という職業についても説明されましたが、生徒たちはちょうど将来の職業について学んでいたところだったので、
興味深く聞いていました。
ブータンの人口は柏市と我孫子市を合わせたくらいであること、国の広さは九州くらいであること、
言葉が20くらいあるが英語が通用すること、国旗の意味などについてブータンの概要が説明されました。
ブータン王国では、王様は一つ一つの村を訪れるような人格者だと話されました。また、利益よりも「国民が幸せになること」を
憲法として扱うほど重要視しており、国民の幸福度が高そうな様子が紹介されました。
ブータン王国は、国土の6割が森林で、ヒマラヤ山脈の雪解け水を利用した水力発電が盛んなことから自然と共生していることが良く分かった、
また、国旗にドラゴンが載っていたり、禁酒日を設けたりとユニークな特色が多い国だと紹介されました。
主食は米、トウガラシやチーズで、辛い食事が多いこと、不殺生戒律を大切にして、虫などの小さな生き物も殺さない、
でも肉は好きだというところが面白いと述べられました。
他にも仏教や寺院のことや交通事情のこと、牛が多いことなど、幅広い話をしてもらい、ブータン王国について多くのことを学べました。
最後に質問の時間を設けると、「ブータン王国の家の造りはどうなっているのか?」とか、「ブータン王国の首都はどこか?」 などという質問だけでなく、「野良の動物が死んでしまった時はどうするのか」といった難しい質問も出、 最近の小学生のレベルの高さを知ることができた授業でした。
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