2019年11月18日に高瀬義彦講師による
「パラグアイで見た自然エネルギー利用と沢山の野鳥」と題した講座が柏市立田中小学校で開催されました。
受講者は小学校6年生全員108名(男性 52 名、女性 56 名)でした。
現地の様子や,JICAの活動内容をパワーポイントにまとめてきていただき,子どもたちも大変分かりやすかったと思います。また,現地のボンビージャなども見せていただき,現地の雰囲気や文化を知るいい機会となりました。小学校の中では,「日本と関係が深い国」という社会科の単元がありますが,パラグアイは含まれておらず,国際理解の視点からも今回は大変,貴重な機会となりました。
以下講義内容を示します。
自己紹介では、どうしてエンジニアになったかが話された。 1945年生まれなので小学校の頃から「鉄腕アトム」の漫画を見て人間型ロボットへの夢を持ったこと、1945年はコンピュータの生まれた年でもあるが、パソコンは30歳の頃誕生、でも買えないので自作したこと、この経験でパソコンのハードとソフトを作る実力がつき、後にJICAボランティアの仕事に役に立ったと実物も示し話されました。
JICAの紹介では、開発途上国への国際協力を行う組織であること、派遣前訓練では初めてスペイン語を勉強し、「世界をつなぐ」、「人間の安全保障」、「文化相対主義」などの考えを教わったと紹介されました。
パラグアイ国民の90%以上先住民がグアラニー人とスペイン人との混血である特徴があり、文化もグアラニー人とスペイン人とのハイブリッド文化であること、パラグアイの国民食は肉とマンディオカと呼ばれるイモであり、テレレと呼ばれる冷たいマテ茶を日常的に飲む習慣があることなどが紹介されました。
パラグアイには世界一の水力発電運用を記録したブラジルと共同運営するイタイプダムがあること、そしてここで働くエンジニアは赴任先のアスンシオン大学工学部で育てられることなどが紹介されました。
赴任先のアスンシオン大学工学部、電力・制御システム研究室では再生可能エネルギーの研究が行われていて、学生2人と一緒に太陽電池パネルの方向制御装置を開発する仕事を行ったが、この時パソコン自作の経験が直接役に立った、若い時に実力を身につけることが大事だと話されました。
パラグアイの課題について、ラテンアメリカで最も凄惨な戦争となった三国同盟戦争(1864年)の傷跡が残っていること、港湾、工業用地、鉄道路線、下水道などのインフラストラクチャーが未発達であることなど紹介されました。
西パラグアイ(チャコ)は人がほとんど住まず、世界最大級の熱帯性湿地パンタナルに連続するため自然の宝庫であること、この入り口に旅行して見ることができた自然や野鳥などが紹介されました。首都アスンシオンの公園も自然豊かで沢山の野鳥と出会ったことが絵を示しながら紹介されました。