2019年7月12日、市原市・五井公民館で、84名の視聴者を対象に、三輪会員が 「ブータン王国から見た幸せとは」のテーマで出前講座を行いました。
三輪講師は自己紹介の後、聴衆の五井の市原市民84名に対し、ブータン国民が敬虔なチベット仏教徒であることから話を始め、 人々が殺生を忌み、蠅や蚊も、蚤やダニさえも殺さないことにふれ、満場から驚きの声が上がりました。 そして、道に、野良犬・野良猫は言うに及ばず、野良馬・野良ロバ・野良牛、…が闊歩している写真が提示されました。 以下、写真も豊富に使われた講義の内容です。
ブータンは九州とほぼ同じ面積に70万人が住む小国ながら、標高は7500m(ツンドラ地帯)から100m(亜熱帯のジャングル)の低地までと変化に富みますが、 自給自足的な農業、豊富な水力を利用した発電、観光の他、製造業などの第2次産業がないという驚きの特色があります。 このように日本人の常識の意表を突く人々の生活ぶりが、数々あります。
ブータンは9割以上の国民が自分が幸せであると認めたこと、王が自ら反対する国民を説得し王政から立憲君主制に変えた(2008年)ことで、
世界の耳目を集めました。この名君が道路も碌にない山奥の村々全てに電化を約束したとき、
送電線が出来たら渡ってくる鶴が傷つき死ぬからと電化を断った村もあります。
ブータンの人々は民族衣装が日本の着物に似ていれば顔つきも日本人にそっくりです。時間は守らないし、借りたお金は返さないけれど、
困っている人は助けずにはいられない限りない人のよさもあります。殺生を忌み、自然とともに生きようとする彼らの姿には、
かつてそうであった日本人が共感できるところがあります。
日本人が近代化の過程で忘れ去ってきたものをブータンの人々が教えてくれる、また、そんなブータンにもネットを初めとする近代化の波が
押し寄せ始めたとして、三輪講師は講義を終えました。