鎌ケ谷市東部学習センターにおいて、60名の方々にご参加いただき、三輪講師による出前講座を開催しました。
ブータンは国民の幸福を目指す立憲君主国家。
経済的な豊かさではなく国民総幸福という独自の考え方。
主食は米、チーズ、唐辛子。食べ物は辛い物ばかり。
チベット仏教、輪廻転生を強く信じている。故に殺生をしない。
畑を荒らす動物も、狂犬病の野犬も、口蹄疫の牛も不殺生。だけど肉好き。
時間を守らない、借りたお金は返さない。だけど人がいい。
禁煙、禁酒日があるものの守られていない。まるでフーテンの寅さんのよう。
小学校から高校まで英語を使って教育が行われている。大学はない。
社会での出世より家族のだんらん。3ケ月来ない職員がいた。理由は祖母が亡くなり喪に付していた。
一夫多妻、一妻多夫が混在する。
農村では長女が跡取りになり、複数の夫を迎い入れる。(農村には男手が必要)
幸せの方程式 幸せ=富/欲望
富が多くともそれ以上に欲望が多いと幸福度は小さくなる。
ブータン王国の人々の幸福度の状況
情報が閉鎖的な時代(20年前) 比較対象がなく幸せ(欲望少ない)
情報流入の現代 比較対象が出来て幸せを感じにくくなった(欲望多い)
情報過多の日本では以下のことが肝要。
自分より幸福な人はたくさんいる。⇒そこに向かって努力できるか。
自分より不幸な人もいくらでもいる。⇒その状況を助けようと感じるか。
<聴講者からの質問>
Q1:一家族何名ぐらいで暮らしているのか?
⇒A:農村の場合、娘の両親、娘、夫が複数人、子供で10人くらい。他人の子がいる場合もある。
Q2:一夫多妻(一妻多夫)の場合,嫉妬とかの問題はないか?
⇒A:(詳しいことは分からないが)国王の妻は姉妹でとても仲が良い。
Q3:お金が必要な場合はどうするのか?
⇒A:銀行もあるが「講」(地域の人がお金を出し合う等の仕組み)で借りている。
Q4:上水道の整備は?
⇒A:上水道は整備されていない。チベットから流れてくる水を池に貯め、そのままの水の状態で利用している。
そのため、ろ過してから煮沸する必要がある。
Q5:日本からの支援はどのような形か?
⇒A:お金と技術支援
Q6:海外へ出稼ぎに行っているのか?
⇒A:ブータンの人はプライドが高く単純労働はしない。
国内のダム工事もインド人(カースト制度の身分の低い人)が行っている。
Q7:ブータン王国へ行こうと思ったきっかけは?
⇒A:現役の時、獣医師として3か月半人工授精のためブータンに行ったことがある。
3か月半では何もできないと思いたち、65才の時JICAに応募し、ブータン王国へ。
獣医師としての応募は無く、農業関係の法律を作る仕事に就いた。
<報告者の感想(良かった点、改善点など)>
とても気さくでユーモアがあり、笑いも取りながら、ブータン王国の世界観を講演くださいました。
パワーポイントも大変分かりやすく、個人的には幸せの方程式 幸せ=富/欲望 は幸せを感じるにはとても大切なポイントと感じました。
受講生がこの講演に興味を持ち、沢山質問が出たところも素晴らしかったと思います。
貴重な講話をいただきありがとうございました。