第27回公開講演会 2021年5月15日 講師: OPC株式会社 取締役 露木 雅美
演題: 活気あふれる国パキスタン
千葉県JICAシニアボランティアの会の主催する講演会は今回で27回目となりました。
(参加人数 一般社会人1名、来賓3名、当会会員18名 合計22名)
● 自己紹介
青年時代に土木技師と測量士の資格に挑戦、その後、青年海外協力隊員としてケニア国建設省本庁で測量技師として
国立サファリパーク、67か所の地方保健施設センター整備の為地形測量を担当。帰国後、コンサルタント技師として
ODAに参加、道路、上下水道、保健医療分野等でアフリカ、中南米、東南アジア、中央アジア諸国で支援事業を担当した。
● パキスタンの国情
JICAの技術協力事業は、産業成長が著しいパンジャブ州のラホール市とファイサラバード市を中心とした。
紀元前2500年前まではインダス文化の中心地として栄え、モヘンジョダロ、ハラッパ遺跡など多くの歴史的な地域があるが、
長い歴史の中でこれらの遺跡は破壊され修復も進んでいない。
私が4年間に長く滞在したパンジャブ州は、インド側のパンジャブ州と同じ民族が生活し、農業でもコメ、麦、トウモロコシなどを
中心に生産して、綿花栽培も盛んで繊維産業を中心に発展した地域でもある。
● パキスタンの人々の暮らしぶり
パンジャブ州一帯は10月頃から翌年3月頃までスモッグが大発生して常にどんよりしていた。
露店の焼きトウモロコシは小砂と岩塩を入れたフライパンで焼いたもので美味。露店の果物は豊富で大変安い。
インダス川の沿岸では鯉、ナマズ、ボラ等の養殖が盛んで、収穫の時期7-8月頃1匹4-5㎏の魚が露店で販売されていた。
パキスタンの料理は、ナン、チャパティ、ロテイとマトンカレー、チキンカレー、ダルカレー等が主体。インドカレーと違って
野菜はコーンオイルやフラワーオイルで煮込み過ぎず調理し右手の指で食べる。
● パキスタンの交通事情
一般的に人々の通勤手段はバイクタクシーと乗合いタクシーであり、乗合いタクシーは「Suzuki」の愛称で普及している。
● パキスタンの学生達
短期大学は工業系分野なので実習授業が多く組まれている。実技以外は教室より屋外授業が結構人気があった。
教室内は電気設備が整備されていないため、天気の良い日は屋外授業をあちこちで見受けた。
最先端のコンピューター制御工作機械を導入し、コンピューター操作指導室を整備した。
ファイサラバード校でのCareer Day(就職支援会)では、学生の就職活動を支援するための手法を説明。
参加者はファイサラバード校の指導員、地元企業の代表、卒業予定者である。
重要活動として卒業予定者には地元の産業を担ってもらうための就職活動を支援する必要がある。
私はCareer Dayには、地域の企業や日本から進出している企業を招待して、就職希望の学生と面会の機会をつくった。
また、学生の技術発表会を積極的に支援した。
● ファイサラバード校のコロナ感染防止対策
私が2019年12月に業務を完了し日本へ帰国した頃、パキスタンでもコロナウイルスへの感染が騒がれ始めた。
そして、2-3か月後に、職業教育訓練庁(TEVTA)は各学校に独自の感染予防対策を指示した。
両手の消毒、機械学科での入場ゲートの設計と製作など。

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