八街市立二州小学校の研究主題である「グローバル人材の育成」についての公開研究会のまとめとして記念講演を行いました。
ブータン王国について,国旗や人種などの親しみやすいテーマや,言語,食事などの現地での生活,文化や宗教,死生観などの深いテーマまで講師の現地での生活を基にした詳細な内容でした。
ポブジカ谷の鶴の話はブータンの国が直面する課題を如実に表すものに思えました。生き物や自然をとるのか,生き物の環境を破壊するが、電線を通して電化した国土に住むのか。国民の出した結果は生物と共生すること。恵まれた環境ではなく,生き物の環境を大切にする国民の価値観に児童は心揺さぶられた様子でした。
生徒の皆さんからは、以下のような活発な質問がありました。
Q.なぜ生きものを大切にするのか?
A.ブータンは「輪廻転生」の考え方が根底にある。だから生きものを大切にしている。
Q.子どもたちの様子は? 日本はインターネットの影響が強く現れているように思うが。
A.ずいぶん電力やインターネットが普及してきている。開発を進めるのか,それとも伝統や旧来の価値観を大切にするのかが問われている。
スライドがわかりやすく,子どもたちの興味関心に合致したものでした。特に「幸福度」についての内容が印象的で,経済的な豊かさが即ち幸福というわけではないという価値観を紹介していただいたことは,生徒の皆さんの未来にきっと役立つものと考えています。