出前講座 袖ケ浦市平岡公民館 2020年12月19日(土)
講師 高瀬義彦

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演題 シリアはまるで人類史博物館

袖ケ浦市平岡公民館主催『国際理解セミナー』の第3回目として本講演が行われた。

[講座その一(協力隊活動でシリアへ)]
JICAシニア海外ボランティアに初応募し派遣前研修を受けた。新ODA大綱に新たに記述された「人間の安全保障」と異文化理解講義で学んだ「文化相対主義」は重要だと理解した。
赴任先のティシュリン大学工学部メカトロニクス学科で行った仕事は、講義、ダマスカス大学、アレッポ大学等での講演、学生プロジェクト援助などである。
先生方の実家に何度も招待され、郊外の住民生活に触れたり、多数の古代遺跡に案内してもらった。外国人にも普通の友人のように接するシリアの方々の態度に驚き、その文化の背景を知りたいと思った。
シリア人は大シリア民族の誇りを持っていると聞いた。大シリアとは古代から続く歴史的シリアのことである。メソポタミア文明とギリシャ文明が出会いヘレニズム文化が誕生、その後、ローマ帝国に支配された。シリアにはパルミラ遺跡を始め、聖書に関係する文化遺産などが沢山現存する。7世紀にイスラム圏に入り大モスクが、その後十字軍の侵攻が続き、築城技術の粋を究めた城が建造され残っている。シリアは各時代の遺跡や遺産を擁する、まるで人類史博物館である。
現在シリアは、イスラム文化とキリスト教文化が共存する社会になっている。シリアで異文化に接して、お国柄を認め合い平和と発展に貢献する事が大切だと気付いた。

[講座そのニ(帰国後)]
帰国後、2011年3月にシリア内戦が起きた。平和だったシリアで、なぜ「アラブの春」が「内戦」になってしまったのか?初期はデモ行進などの市民抵抗運動だったが、武力戦闘に発展し反政権派諸勢力の中で外国人を含む過激派ISILが台頭した。そして、アサド政権と反政権派それぞれに同盟組織や国が資金援助や武器付与等の軍事支援を行って複雑化し深刻な長期内乱になった。シリアは人類史の縮図とも言える争いが歴史上勃発した地域にある。
シリアで3年間実生活を経験した個人として、今後もJICA活動で学んだことを心に留めて、シリアと接していこうと考えている。

[聴講者からの質問(抜粋)]

[アンケートから(抜粋)]

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