うらやす市民大学本講座 『開発途上国から学ぶ』 第八回
講師: 岡崎 英子
演題: 教育支援と学校教育/モロッコ
今年度より「うらやす市民大学」で『開発途上国から学ぶ』というタイトルで9回の講座が計画されています。
うらやす市民大学のシリーズ講座『開発途上国から学ぶ』第八回として、2019年11月6日に岡崎英子講師による
「教育支援と学校教育/モロッコ」と題した講座が開催されました。
講義当初から受講生とは和やかな会話のやりとりがありました。講義では大変に多くの情報を伝えていましたが、要領よく、また言語明瞭でありまたキーワードが明確でした。講師と受講生が常に一体となった講義であったように思えました。講師の任務・任地が変更されたのですが、それでも真摯に対応し実績を残されたことに対して、受講生から賞賛する発言がありました。
以下講義内容を示します。
報告者: 登内
● モロッコ王国紹介
アフリカ最後の植民地問題、日本との友好的な関係、王室などについて説明されました。
補足説明
- モロッコの正式名称はアラビア語発音で、アル=マムラカ・アル=マグリビーヤ、通称、アル・マグリブ(陽の沈む王国の意)。
- 公用語はアラビア語とベルベル語、首都は ラバト、最大の都市はカサブランカである。
- 西サハラ(旧スペイン領)は「アフリカ最後の植民地」と呼ばれ、全土の大半を隣国モロッコに実効支配されている。
- 国家体制は国王を元首とする立憲君主制国家である。現国王として在位しているのはムハンマド6世である。
● モロッコ人について
モロッコ人に対する岡崎氏の感想:「人々の日常会話では、インシャアッラー、ビスミッラー、ハムドゥリッラーという神アッラーにまつわる表現が頻繁に使用されています。
親切で少々見栄を張ることを好み、無理をしない性格のようでした。」
補足説明
- モロッコの国教はイスラム教であるが、宗教の自由が認められていて、少数ながらキリスト教徒、ユダヤ教徒もいる。
- インシャアッラー 「神様が望めば」の意で、アラビア語圏でよく用いられる未来の断定を避ける慣用表現
- ビスミッラー 「神様の名のもとに」の意で、日本語の「いただきます」とやや似て、
畏れ多い行為の前などで使われる慣用表現
- (アル)ハムドゥリッラー 「神様のおかげで」の意で、日本語の「おかげ様で」に近い意味で、
アラビア語圏で頻繁に用いられる慣用表現
● 活動内容紹介
派遣前のJICA訓練所でのエピソードや当初の任国と任務内容がテロの影響で大幅に変更されたことなどが紹介されました。
変更後の新たな任務に対しても真摯に取り組み、現地の中学校音楽教育に対して改善すべき内容を提案した活動が紹介されました。
● 活動の振り返り
「モロッコに限らず海外から日本を眺めると、日本だけが持つ特殊な文化があることがわかります。日本は世界的にはマイノリティに属するのかも知れないと思いました。」
● 聴講者からの質問(抜粋)
- アラビア系の音階は日本で使われているような一般的なものと異なるのか→アラビア系の音階は一部音程が異なっている。アラビア版キーボードが存在する。
- ベルベル人の音楽はどんなものか→聴く機会がなく、よくわからない。任地では「アンダルシア音楽」と呼ばれる民族音楽が盛んであった。
- ダンスをしている子供たちが女子だけであったが教育は男女別々か→基本的には男女を分けるという思想があるように感じた。
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