義捐金とサトイモ  - トンガの人々の東日本大震災への思いやり -

1. 在トンガ日本大使館での記帳

ツポウ・ジョージ5世国王が在トンガ日本大使館を訪問され、高瀬大使にお悔みとお見舞いを述べられました。そして、震災被害者への弔意を表すために記帳されました。その他主官庁、JICA関係の省庁・学校から代表者が来館して記帳しました。

トンガには、30年来協力隊員の日本語やそろばん教師が多く派遣され、現在は青年協力隊員24名、シニア海外ボランティア11名が活動中です。

2.トンガ赤十字協会の「義捐金募金運動」

3月19日、トンガ赤十字協会主催で「日本の被災地への義捐金募金運動」が同協会前で行われました。参加者は同協会関係者およびトンガ人ボランティアなど約40名、在トンガ日本大使館関係者、青年海外協力隊員・シニア海外ボランティアと家族など約40人でした。 横断幕を道路横に掛け、ボランテイアは募金箱を持って大きな道路の両側に立ち、通行する自動車に募金をお願いし、また野菜マーケット前でも募金活動を行いました。

トンガラジオ放送局がテント内で実況放送、トンガ政府高官、日本大使、日本留学生経験者などが出演してメッセージを送り、インタビューに答えていました。また国際電話で在日トンガ人から生の声で甚大な災害と日本人の様子が伝えられました。

トンガ赤十字協会前は首都ヌクアロファで最も車の通行量が多い道路で、土曜日は市内のマーケットに行く時必ず通る道路のため、放送を聞いた車が次々と停車し、募金箱に小銭やお札を入れてくれました。大手の企業などは小切手を持参して会計係に直接渡してくれました。後日、金額が日本円で220万円以上集まったと聞きました。この募金は既に日本赤十字社に送金済みです。この金額は人口が少なく経済的に豊かでないトンガでは大変な大金です。

私は初めてこのような募金活動に参加し、トンガ市民の琴線に触れ、多くのことを学びました。 トンガ赤十字協会には過去数名のJICA協力隊員が小児看護教育などで活動し、現在も1名の協力隊員が活動中です。


トンガ赤十字協会前での募金活動

日本への義捐金募集の横断幕

募金をするご婦人

募金をする人

義捐金協力を呼び掛けるボランテイア

トンガ赤十字協会前庭の義捐金募金本部

3.トンガ産サトイモを被災地に贈る計画

日本品種サトイモを10年間栽培し輸出しているポウシマ さん(私が経営と栽培を指導中)が、4月25日に生サトイモを4トン日本に輸出しました。これに併せて震災被災地に寄贈する生サトイモ6トン積みました。日本訪問の経験があるポウシマさんは、今回の大災害に心を痛めて、日本人の大好きなサトイモを被災者に贈ることを思いつきました。

トンガ側の協力者は、生サトイモと輸出手続きがポウシマさんの会社、その他に木箱(500kg用)、袋に貼るラベル印刷は市内の事務用品店、そして船会社です。

日本側は、輸入手続きを大手スーパーの輸入商社、そして被災地までの輸送は別の専門商社が引き受けます。 網袋に貼るラベルのデザインを私が頼まれ、パワーポイントを使ってデザインを考えサトイモ収穫の写真を入れ日本語で書きました。わずか6トンのサトイモですが、トンガ人の愛情がこもった計画です。そして、私がそれをアシストするのもうれしいことです。

4月21日、農業大臣Lord Vaea、政務官 Dr. Vailala Matoto、在日本大使館 川田参事官などが袋詰め作業とコンテナー積み込みを視察されました。


左より吉原、農業大臣ロード・バエア(Lord Vaea)、
ポウシマ氏

私がデザインしたラベル。
写真は収穫のためサトイモの株を引き抜いたところ。

サトイモの植え付け、畝には潅水チューブが埋まっている。
ここはトンガ唯一の潅水設備のある畑

生育中のサトイモ畑、この畑は約2ha (20,000m2)

収穫作業;良いイモを集めている

洗浄・塩素消毒の後、選別袋詰め作業、ネット袋は10kg入り

10トン積み冷蔵コンテナー

冷蔵コンテナーに収まった木箱入りサトイモ

以上