思い出の写真

メキシコシテイでSV達と
(左端が筆者)
土木の学生とメヒカリのコロラド川下流域のスタデイツァー
(前列左端がBlanket教授、その右隣が筆者)
大学キャンパスでSV仲間と(後列中央が筆者) エンセナーダ港をチャプルテペック丘から展望
エンセナーダ移民文化祭 ティフアナの日本文化習慣でエンセナーダ日系人会有志と
中央が市長婦人、その左が筆者)
技術祭りでの水不足対策プレゼンテーション 工学部事務室の職員(Secretaria)と

レポート 「中米-メキシコ国エンセナーダ」        寺戸 康隆

メキシコの地勢・気候・風土の特徴

メキシコは日本の 5.3 倍の広さ。 1 億 1 千万人の人口。国土の半分は標高 1,000m 以上の高地または山地。プレートの沈み込みで日本と同様、地震と火山活動が活発。温帯、ステップ、砂漠あるいは熱帯といった多様な気候・風土から成る。また、 生物多様性に富む国。国の年平均降水量は 772mm(CNA 、 2002 年 ) 。インディヘナ ( ネイチブ ) と白人 ( 主にスペイン系 ) の歴史的結合や共存をルーツにした多人種・多文化・多移民社会。共通語はスペイン語と英語。首都メキシコシティは世界有数の人口密集地。

メキシコの今の政治・経済・社会・文化

キシコは中南米の大国。 2000 年 12 月、 71 年に及ぶ制度的革命党 (PRI) が倒れ、国民行動党 (PAN)のフォックス大統領が誕生したことで、硬直化した社会主義体制からの脱皮と民主化、経済自由化に拍車がかかる。 2006 年 12 月に同じ PANのカルデロンが後継大統領に成ることで、この流れの更なる促進が期待される。

政治課題として、貧富の差、都市問題、環境問題、汚職・犯罪・誘拐・麻薬、アメリカへの不法入国などあり。貧富の格差は北米・中南米共通の現実で、メキシコは国としては既に中進国と見なされるが、 6,000 万人は自立できる反面、 4,000 万人は支援が必要で、これが日本からの ODA のよりどころ。長期在住日本人からの耳情報では、一握りの億万長者の資産は世界のトップレベルにある由。豊富な鉱物資源・原油産出量世界第 7 位の資源大国。一人当たり GDP( 名目 ) は 7,300 米ドル (2005 年 ) 。

北米・中南米同様に、国旗掲揚・国歌斉唱が通常行事に伴われ、常に 愛国心が涵養される。

メキシコは日本の家庭の食材や草花のルーツ

食卓を飾る食材のトウモロコシ、カボチャ、トウガラシ、サツマイモなど、あるいは庭を彩る マリーゴールド、 サルビア、 コスモス、 ダリア、 ポインセチアなどの 原産地はメキシコ。地理的には遠い国だが、日常の糧から見れば身近な国。

赴任地エンセナーダとは

エンセナーダ (Ensenada)は太平洋岸に面し、中心地は古くから水産で栄え、今は主にアメリカ人向けリゾートで知られ、世界から観光客が訪れる港町(Ensenada はスペイン語で入江を意味する )。バハ・カリフォルニア州の米国国境近くに位置し、広さではメキシコ最大のシティ。半砂漠地帯 ( 例えば、州都メヒカリは熱砂の砂漠の中のシティ ) にありながら、アラスカから南下する寒流に緩和され、きわめて温和な気候。

しかし、降水量が大変少なく, 年平均 200mm 前後 (CNA 、 2002 年 ) 。水道・工業・農業用水のほとんどは伏流水である地下水に依存。滞水層の貯留率は漸次低下傾向が推測され、一方では塩水化が現実化。この問題解決へのアプローチが大学で筆者が取り組むテーマとなった。

米国に近いこともあり、アメリカ、日本、イギリス、ロシア、スペイン、ドイツ、フランス、トルコなど世界 10 数カ国・地域からの多くの移民が永住し、メキシコでも特に経済・教育レベルの高い国際色豊かな多文化・多言語社会を形成。日系人の多くは代々他のアジア人にくらべて地域社会に貢献し、深い尊敬を勝ち得て、同時に日本古来の伝統・文化を継承しているのが好印象。

国境地帯にある保税加工区、マキラドーラはメキシコで最も重要な工業地域。

メキシコは家族愛・隣人愛・スキンシップの国

メキシコは身内や友人間の心の触れ合いを大切にし、老若男女、異性や年齢差に関係なく、いわば俺・お前の二人称で付き合い、語り合ってくれる。あいさつは言葉以外にも抱擁や頬キッスが日常的。筆者も赴任 1 年後からは、恥じらいなく、男同士では握手あるいは抱擁、異性間では抱擁あるいは頬キッスが恒常的になった。

以上