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「マンデビル警察署」:地方在住の協力隊員の安全確保の為、警察署を訪問しました。 「弁当屋さん」、いつもテークアウトの弁当を買っている屋台のオバちゃんと娘です。携帯が大好きです。

レポート 「ラスタマンとジャマイカ社会」             影山 洵

ジャマイカのラスタマンについて以下の文にまとめましたので紹介いたします。

  • ジャマイカ社会について多数の人が異なる表現で説明しています。
    「治安が良くない社会」「女性がリードする社会」「レゲエ音楽の社会」「貧富の差がひどい社会」「ラスタマンがいる社会」などです。
  • しかし、その中でよく出てくるのが「ラスタファリズム」を信じて行動する「ラスタマン」です。かれらはその決められたルールに従い、日常の行動体系をきめています。
  • 顕著なのがその風貌です。「 鋭利な刃物は身体を汚すので当てない。 」考えから、髪の毛やひげをそらない。極端な例では生まれた時から髪の毛を切らないと言われ、伸びきった髪をドレッドヘヤータイプに編んで、赤、黄、緑、紺色の毛糸のラスタマンキャップにまとめ、とんがり帽子のように上に突き出た形で被って街中を歩いています。
  • 生活も基本的には菜食主義で、特に豚肉、甲殻類、うろこの無い魚、巻貝は食べません。
    小生が一緒に食事に行った時も、決して肉類を食べませんでした。今年の初めにジャマイカ北部のドルフィンヘッド地域に村落開発の仕事で行った時、そこの村のラスタマンであるコミュニティリーダーとあいました。サブリーダー2人もラスタマンだったので3人で開発する山林の現場視察に行きました。
  • 私達が彼らと共同ですすめている仕事は外国からの移入種であり、繁殖しすぎて在来種の生息を脅かす竹を利用して観光やみやげ物の材料として活用する村おこしでした。ラスタマンはとても熱心に現場を案内してくれ、首都キングストンでの打ち合わせにも積極的に参加してくれました。
  • そこで、彼らの考え方や行動体系を紹介した本、 レナード・ E. バレット の「 ラスタファリアンズ レゲエを生んだ思想」を参考にみると、以下のことが紹介されていました
  • ラスタファリズムはアフリカの黒人国家と違う環境で育成されたジャマイカ独特の文化であり、 基本的教義として以下の6項目があげられている。
    1. ハイレ・セラシェは生き神である
    2. >黒人は古代イスラエル人の化身であり白人の手により、現在ジャマイカで異郷生活を送っている
    3. 白人は黒人より劣る
    4. ジャマイカの状況は光なき地獄である。エチオピアは天国である
    5. エチオピアの無敵の皇帝は、現在国外追放にあったアフリカ起源の人々がエチオピアに帰還するための準備をされている
    6. 近い将来に黒人が世界を統治する
  • また、聖書で語られているイエスについて・・・

    イエスはハイレ・セラシエ皇帝であると信じている。しかし、白人の奴隷主と宣教師達が、黒人奴隷から本来の尊厳を奪う為にイエスをヨーロッパ人にした。

  • 教義上は将来、母国アフリカに帰還を希望しており、英国のエリザベス女王に「帰還の費用」と「400年前に奴隷として強制的に連れてこられたことへの損害賠償」を要求している。
    これに関して、本年初めの現地新聞「オブザーバー」にこの要求を女王が拒否したと掲載されていた。しかし、現実的にはメンバーの少なくとも半数は母国帰還を拒否している。
  • ガンジャ(マリファナ)は非合法なものと知っているが仲間との平等意識を高めるなど、以下の効用があるので集会などでよく喫煙されている。
    1. 幻覚を生み、仲間との一体感を高める
    2. 憂鬱や不安を一掃し、もたざるものの心に平穏をもたらす

    日本の新興宗教にも薬を使って信者を幻想の世界に引き入れる儀式を行うところがあるが、ちょっとこの点は似たところがある。

以上