ベリーズで活躍中!

23年度2次隊の濱崎 丘(ハマザキ タカシ)です。平成23年9月から2年間、中米ベリーズの政府機関の1部局である「廃棄物管理機構」に赴任し、固形廃棄物処理の指導に当ります。12月現在赴任して3カ月になりましたのでベリーズの国、暮らし等を中心に紹介します。


- ベリーズってどこ?

ベリーズは中米のユカタン半島の付け根にある国で、北はメキシコ、西はグアテマラと接し、東はカリブ海に面しています。面積は四国の約1.2倍、人口は全体で約33万人であり、柏市よりも人口が少ない国です。国土の大半は熱帯雨林の原生林であり、カリブ海側は世界第二位のサンゴ礁に面しています。正直言って赴任する前は、メキシコ、コスタリカ、グアテマラ等の中米諸国の位置関係、またベリーズがその中でどこなのか全く分かりませんでした。またカリブ海、メキシコ湾、大西洋の名前は分かっていましたが、これらの位置関係もはっきりわかりませんでした。ぜひ地図を開いてみて下さい。


カリブ海と桟橋

- 職場は何をする所?

配属先は環境保全を総轄する天然資源・環境省の下部組織である廃棄物管理機構です。文字通り、環境関係でも廃棄物処理に特化した部局です。
この国には衛生的で管理された処理施設がなく、分別やリサイクルも充分でないため大きな社会問題になっています。このため、米州開発銀行の支援で、廃棄物管理プロジェクトが2010年から始まり、2012年の1月からは中間処理場、最終処理場の設計、施工に入る段階になっています。このプロジェクトはベリーズ国を東西に横断するハイウェイ沿いの一連の地域を新技術で先駆的に試行し、残り地域は既存のやり方を改善しながら進めるもので、配属先はその実施・総轄機関です

古ぼけたビルが職場です

- どんな仕事を?

この国では廃棄物の収集、運搬、処分は自治体の責任で実施することになっています。配属先は政府機関として廃棄物処理の全体計画、モニタリング、技術支援等を自治体に指導する立場にあります。したがって役割分担が異なる二つの部署が夫々の立場で解を求めていくための技術的アドバイザーとしての支援が期待されています。この支援に向けてまず既存資料の調査、処分場の現場調査、自治体関係者との打合せ等実態把握に取り掛かりました。


- どんな人達?

ベリーズはマヤ系、アフリカ系、ヨーロッパ系、アジア系が入り混じった人種のルツボです。また公用語が英語である中南米唯一の国であり、彼等も誇りに思っていますが、現実には多くの知識人は英語以外にもスペイン語を習得して、近隣諸国の会議でもスペイン語に不自由しないようにしています。日常流れるTV、ラジオや多くの輸入品をみても、遠くの旧宗国の英国より、近くのアメリカやスペイン語圏の影響が大きいと思えます。70年代のアメリカのカントリ&ウェスタンの音楽を時々耳にした時はびっくりしました。とは言えレゲエ音楽、カリビアンRUM等独自のカリブ文化がしっかりと根付いており、その点ではアメリカ文化もスペイン文化も人種同様、彼らの中で融合し彼等の文化となっているように思えます。いつも柔和な顔つきで笑顔が絶えなく人懐っこいベリーズの人々ですが、プライドも高く、その点は尊重して行動しなければならないと思っています。


職場の仲間と現地調査

職場の仲間達との食事会

- どこに住んでいるの?

私はベリーズの首都であるベルモパンに住んでいます。
1961年10月、カリブ海で発生したハリケーンは当時首都であったベリーズ市を襲い、街は壊滅状態になり275名が犠牲となりました。そのため政府はベリーズ市から約80km離れた内陸のベルモパンに首都を移転しました。

現在は人口約2万人の小都市になっていますが、街のあちこちには馬、ニワトリ、ヤギが草などを食んでいる姿を目にするとても牧歌的な首都です。毎週火曜日と金曜日はテ ント張りのオープンマーケットが開かれ、近隣の農家から新鮮な野菜や果物や乳製品等がどっさり店頭に並びます。
休みともなるとあちこちの家からボリューム一杯のレゲエ音楽が鳴り響き、音の調べを耳にしながら歩けます。各地への移動はもっぱらバスが中心です。庶民の足となり、ベリーズドルで4ドル(US$2に相当)も出せば国で一番賑やかなベリーズ市へ行けます。ここは首都であるため政府関係者が多いせいか物価は思った以上に高いです。

牧歌的な風景

近くにある市場

庶民の足であるバス

- どんな暮らしをしているの?

私はベルモパンでアパート暮らしをしています。朝5時頃起床し、5時半位から、リングロードと呼ばれる約6kmの周回コースを速歩で1時間かけて散歩します。朝食後はアパートから職場へ10分位かけて通勤しています。朝の8時から夕方5時までみっちりの勤務時間です。途中1時間の昼食時間がありますが、この昼食もアパートで取っていますので職場とは毎日2往復分40分の徒歩タイムで、計1時間40分は平日の運動タイムです。

驚いたことには職場仲間はびっちり8時間仕事に励んでいます。途上国の人は理由を付けては休むのではとの先入観がありましたが、ここではそうでもありません。やはり首都でかつ政府機関だからでしょうか。ただBGMはラジオがかかっており、時折レゲエ音楽が流れてきます。夕飯も自炊で、ラジオの音楽を聴きながらの夕食となります。午後9時ともなると就寝の時間で、日本の現役時代では考えられないような生活を送っています。

以上