レポート: ネパールでの幼児教育             河田 眞智子

活動要請
  • 子どもの想像力や個性、道徳心、情操発達に重点を置いた教育指導
  • プロジェクトの中からモデルセンターを設置
  • 運営面での指導
  • 保育園内での実践教育。特に生活面と遊びを中心とした指導
  • 保育園教師へのトレーニング。月一度の勉強会を継続、教材作り、指導プランの立て方、子どもの心理、心身の発達、女性問題、運営面の改善等を指導
  • 地域役員の幼児教育への理解を促進
  • 配属先スタッフへの協力要請及び幼児教育の理解度を深める
活動の概要

 私が活動をはじめた日は61歳の誕生日でした。ラリトプールの街からヒマラヤの山々が太陽の光を受けキラキラと輝き、まるで私の活動を祝福してくれているようでした。

 私の活動配属先は、市地域開発部、婦人と子どもの為のセクションで、ここを拠点として四ケ所の保育所を巡回指導することです。保育所と言っても小さな小屋に貧しい子どもが集まり、無気力に過ごしている状態に、何から手つければ良いか悩みました。

 まず身近にあるロープを利用して、縄跳び、高飛び、電車ごっこを、大型バスタオルでブランコを、また、パズル、紐とうし、カード(字、数、生活、動物、食べ物)などを作り、子ども達と遊びました。子ども達は、私が行くと飛びついて来る様になり、非協力的だった教師も自分たちで教材を作り、保育内容がわずかずつ変わって行く手ご たえを感じました。しかし此処まで来るのに一年半程かかり、継続して身に付くような生活習慣(手洗い、排泄、整理整頓、順番を待つ)の改善は、少し目を離すと手抜きをして、指導するのは非常に困難でした。

 しかし、地域でのお祭りやお祝い事等、声が掛かると出かけるように心がけ、多くの人達と一緒に歌い、踊り、食べ、笑いました。その成果が、四ケ所全てでの給食という実地の成果へと繋がりました。これは私にはとても大きな喜びでした。

 ガス、電気、水に乏しいネパール。男女差別のひどいネパール。カースト制のあるネパール。生きる事が困難なネパール。そのネパールで、保育園で子供たちが得た多くの大人の愛情から、彼等が将来を生き抜く為の大きな原動力となると私は信じています。そして今、ボランティア活動から得られた多くに感謝して日々を過ごしています。

以上