CordobaでのSV体験                   水野 純也

1.SVとしての活動

私は、2005年11月から1年間、コルドバ(Cordoba)市(アルゼンチン第2の都市)にあるプロコルドバ(ProCordoba)という職場で、インターネットを利用した輸出振興の支援を行ってきました。プロコルドバは、コルドバ州の輸出振興機構で、日本で言えばJETROのような役割を担っています。私の仕事は、コルドバ州の企業や製品の紹介をJETROが運営しているTTPPという電子市場で紹介することでした。在職中に、55社の企業紹介と34社の製品の紹介を行うことができました。全く未知であったアルゼンチンという国とその人々を多少なりとも理解でき、親しみが湧いてきたのも大きな収穫でした。

2.人々を理解できる面白さ

海外体験の面白さは、その国の珍しい自然や美しい町並みなどを楽しめる面白みのほか、日本ではまず体験できないことを体験できる面白さがあります。アルゼンチンで体験できた特別経験をアルゼンチン現象と称して、ここでは、私が体験した、アルゼンチン現象をいくつか書いてみます。

アルゼンチンに関する一般的な情報は、在日アルゼンチン共和国大使館のホームページ (http://www.embargentina.or.jp) に記載されているので、ご参照ください。また、アルゼンチンで撮った写真は、私のホームページ(http://www.icpipit.com)に掲載していますのでご覧ください。

3.暖かい習慣

職場では、朝オフイスに来るとあたかも十年ぶりに会ったかのように、頬をくっつけあって挨拶をし、夕方帰る段になって、あたかも、遠い旅立ちをするかのようにまた頬をくっつけあって挨拶をする。これを毎日毎日繰り返しています。

普段は日本から来たおじさんには、この挨拶を試みない職場の女性陣も、クリスマス休暇や夏休み休暇に入る段になると、この挨拶をしないではいられない半生理的欲求を抑えられず、このおじさんにも頬をくっつけにやってきます。また、アサド(バーベキュー)などに、およばれに行くとその家の奥さんや娘さんだけでなく息子さんまでが頬をくっつけて挨拶をする。相手が髭など生やしているとあたかも熊にこすられた感じで、むずがゆい。このような暖かい習慣が日本でも普及すると良いのですが、シャイな日本人の間では、難しいそうですね。

4.ホームレス犬

アルゼンチンでは、人間だけでなく、犬も沢山のホームレスがいる。町や公園で見かける犬は、ほとんどが、ヒモがついていないホームレス犬である。 彼らの多くは、昼は寝ている。歩道は自分の住家と思っているらしく、歩道の真ん中で平気で居眠りをしている。人通りが多くても、全く無頓着で、歩道の真ん中で死んだように寝ている。人々は、それを気にするでもなく、よけたり、またいだりして通っていく。

これらの犬は、小犬の時は、家庭で飼われていたが、大きくなって、飼い主が、与える餌の費用に耐えられなくなり、放ったものという説明を土地の人から聞いた。昔は、市役所の担当者が、ホームレス犬を捕らえて処理していたそうであるが、今は、カトリックや動物愛護団体が反対するため、これができないとのこと。愛情の深い人々が住むこの国では、ホームレス犬も、幸せに暮らしているように見えた。


(人々はバーのテレビでワールドカップを観戦、犬はお昼寝)

5.夜行性の人々

アパートから歩いて20分くらいのところにエルアラバル(el Arrabal)というディナー&タンゴショーのお店があった。夕食は10時から、ショーは11時半からだと言うので、夕食はすませて、11時半に着いた。ところが12時になっても山盛りの料理がお客に運ばれている。ショーが始まる気配になったのは、12時半。ライトの調整や、譜面台などが運びこまれて、若い男性の歌手がタンゴを歌い始めた。

次に、背の高い女性の歌手が出てきた。女性歌手は、歌がうまかった。そして、いよいよ、ダンザーが舞台に上がって踊り始めた。タンゴは、見せる踊りだ。曲も哀愁があって、踊る姿は、優雅で美しい。代わる代わる交代で歌と踊りがあり、最後に、お客の出身国の紹介の時間。女性の歌手がイタリーと言えば、イタリーからのお客が手を上げる。するとイタリアの曲の伴奏がはじまり、女性の歌手が歌う。日本の番が来た。私もおつきあいで、手を上げ笑顔で応えた。伴奏者がさくらさくらを奏でたが、さすが、女性の歌手は、歌を歌えませんでした。

ショーが終わったのが、1時半過ぎ。歩いて20分くらいとはいえ、この時間に歩いて帰るのは、さすが少し怖いかなとおもったら、これがなんとまた大違い。道路端のバー、レストラン、アイスクリーム屋さんの前には テーブルと椅子が出ていて、大人も子供も人がいっぱい。ビールを飲んだり、アイスクリームを食べたり、食事をしたりしている。こんなに夜遅く町にでる用はなかったので知らなかったが、どうも、夜も昼の内らしい。風呂に入って、寝る前に時計を見たら午前3時。町では、人々はまだチャットの最中でしょうが、私は、これで、お休みなさいとなりました。コルドバ人には、なかなかなれませんね。


(夜の12時半から始まった、エルアラバルでのタンゴショウ)

6.101番(警察)は通じない

コルドバは大学の町で、私の住んでいたアパートにも、となりのアパートにも大学生が沢山住んでいました。誕生日などには、アパートの一室で誕生日のダンスパーティをやる。夜の11時ころから明け方まで、窓ガラスがびんびん振動するほどの大音響で音楽を鳴らす。夏は、アパートの屋上で、アサド(バーベキュー)パーティをやって、その後、大音響で楽器を演じる。うるさくて、とても眠れない。ここでは、“お互いさま”らしく誰も文句を言わない。

何もそこまで大音響にしなくとも楽しめるはず。眠れないので、お巡りさんに頼んで、ボリュームを下げてもらおうと思い、101番(警察)に電話した。かなり何回かの呼び出し音の後で、「Policia(警察)」と録音テープがなったが、こちらが呼びかけても何の返事も返ってこない。警察は寝てしまったようだ。101番は当てにならないことがわかった。

7.ATMにお金がない

コルドバでは、家の近くにあるフランス銀行という銀行を利用していました。旅行の費用が 必要となり、朝、銀行に行き、ATMにカードを入れて、暗証番号を入力してお金がでてくるのを 待っていましたがお金が出てきません。女性の銀行員に話したら、「多分ATMのお金が空になって しまったのだろう」という返事だけ。もう一台あるATMでトライしましたが、同じくお金は出てき ません。銀行の窓口に並んでお金を引き出すのは時間がかかるので後でまた来ることにし、昼食 をすませて、午後1時半ころ、また、フランス銀行に行きましたが、まだATMにはお金が入って いませんでした。夕方、午後5時ころまた、フランス銀行に行きました。このときは、運よく ATMから旅行社に支払うお金が引き出せました。

翌朝、小遣いが不足したので、フランス銀行に 行きました。2台のATMにはお金が入っていませんでした。仕方がないのでまた次の日の朝 フランス銀行に行きました。ATMにはお金が入っていませんでした。昼に行って1台目には、 お金が入っていませんでした。2台目からは、ATMがごそごそと音をたてて、お金を吐き出しま した。お金が出るときのこの喜びは、日本ではなかなか味わえないものでした。

8.1センターボ硬貨がない

アルゼンチンのお金は、ペソとセンターボである、1ペソは100センターボだ。ところが、 1センターボ硬貨は、出回っていない。日本でいうと1円硬貨がないということだ。したがって、 スーパーで35.97ペソの買い物をして100ペソ札のお札をだすと、おつりは、64.03ペソでなく、 64ペソ。3センターボは、没収されてしまう。ただ、レシートには、35.97ペソと記載されて いるので、この3センターボは、帳簿に不記載の利益になる。没収されたつり銭の総額は、 アルゼンチン国内で約14億5000万ペソ(およそ435億円)となっているそうで、消費者は、 この分損をしていることになる。これも典型的な、アルゼンチン現象ですね。

以上