コスタリカ派遣の2年間                  増田 定雄

コスタリカ

名前はRich coast(豊かな海岸)を意味するスペイン語、場所は南米と北米の中間の太平洋とカリブ海にはさまれた狭い幅の地域にあり(写真①)、2002年には電子部品・医療機器等の工業製品の輸出金額がバナナ・コーヒーなどの農産品を上回って見かけでは工業国になった。
(「コスタリカを学ぶ」2003年9月刊参照)

日本では軍隊を廃止し(1949年)(写真②)、軍事費を教育・福祉・自然保護に振り向ける制度改正が行われた国家として知られている。現実はこの様な状況の中で失業者増、税収不足、医療と教育費肥大で国家財政が危機に貧している事を聞いた。教育と福祉と平和国家の維持をどうバランスさせて解決するかはどの国にも重い大きな課題である事を知った2年間であった。

国情

共和国、パナマの北に接する面積51,000平方Km(九州と四国の合計程度)、人口414万人(2002年)の小国、スペイン系の白人と混血で95%を占める国、首都はサンホセ、大統領は2006就任したノーベル平和賞受賞者オスカル・アリエス氏、公用語はスペイン語(英語は観光施設では通用するが一般の店ではまだ無理)、国の中央部の平均標高は1,000~1,500mの高原地帯で、首都サンホセと周辺都市は北のバルバ、ボアス(2,700m)、南のイラス(3,400m)の火山に囲まれた裾野台地に位置し(写真③)している。

印象

赤道に近く北緯10度であるが、特に首都サンホセは緑が多く、海抜900m前後で温暖で(写真④)、欧米からの輸入生活物資が豊富で都市部は住み良い環境である。

現地で驚いたこと:

高度差では赤道直下の熱帯(海岸線)から寒冷地(標高2000m)まであり、また地理的な位置関係で赤道をはさんで南北各地から殆どの果物が輸入できる事は驚きであった(但し、品質はいろいろ)。尚、同国は中南米独特ののんびりしたところが少なく、以外に人々の気質が先進国的な雰囲気を持っている事であった。

日本と一番違うと感じたこと:

・・経済レベルが低い事(物価は2004年約1/3)は勿論であるが、生活時間のゆとりがある。平均的なサラリーマンは午後3~4時には終業して帰宅する。


写真① コスタリカの位置

写真②旧参謀本部(現国立博物館)の弾痕、軍備放棄の象徴

写真③ ポアス火山の裾野に広がるサンホセ市外の北部
写真④サンホセ中心街デートスポットの時計台

活動概要(派遣先)

首都サンホセの西、バスで20分のところに、コスタリカ国立職業訓練学校(INA)がある。ここの材料技術部プラスチック加工リサイクルセンター(科)の先生方(写真⑤)への指導助言及び入学した学生(2学年約30名)たちへの基礎技術の説明(写真⑥)・・・本雑誌は中米南米各地の国立職業訓練所に配布されている)

その他、時々相談に来る民間企業の経営者、技術者などへの技術相談や開発計画の助言であった。研究棟内はよく整理整頓されていた(写真⑦)。

プラスチックのリサイクル関連の技術移転は、英語、スペイン語に翻訳して提供した。尚、PET リサイクルの設備が無かったので減圧乾燥機を供与して業務を進めた(写真⑧)。リサイクルでは今後まだ多くの面で(写真⑨)支援が必要である。

一緒に仕事する上で心がけていたこと:

朝夕の挨拶は勿論であるが、昼食を訓練所内の学生食堂で先生方や学生と殆ど毎日一緒に現地食を取るように心がけ、食物の名称を話題にして会話を始めた。尚、国内は徐々に治安が悪化しつつある。

その他:

自然景観では春2月下旬に咲く満開のロブレサバナは日本の桜に似たピンクの見事な景観を呈する(写真⑩)>。又、乾季11月から2月にかけてサンホセでは美しい夕焼がしばしば見られる。 (写真⑪)


写真⑤IA職場の先生方との懇談会

写真⑥INA季刊誌の表紙の筆者


写真⑦INA学生実習用加工研究設備

写真⑧供与携行機材・減圧乾燥器

写真⑨一括売却されてた廃材の山

写真⑩

写真⑪

以上