会員の皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 中西 陽典  

 今年度(2023年度)の総会は、新型コロナウィルスの感染法上の位置づけが従来の2類から5類に移行したこともあり、3年ぶりに対面形式で、5月14日に開催されました。その総会で選出された新役員による役員会の互選で、私が会長に選出されました。
 当会は2003年の発足以来、先輩諸氏の献身的なご努力で、様々な社会貢献活動を行い、会員は一時は百名近くに達する大きな組織となり、現在に至っております。そのような伝統ある偉大な組織の会長という職を担うことは大変名誉なことで、緊張しております。

 2023年3月31日現在のJICA統計によりますと、これまで派遣されたボランテイアの累計総数は92か国、54,772名であり、そのうちシニア・ボランテイアは、累計78か国7,125名となっており、JICAにおける海外ボランティア派遣は、世界的に広く認識されている事業となっています。同じ統計では、千葉県のシニアボランティア派遣累計総数は426名となっています。2020年春募集より、JICAのシニアボランティアの定義に変更があったこと、また3年間に及ぶ新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックの影響による新規会員の減少、現会員の高齢化による退会会員の増加といった本会を取り巻く厳しい環境変化もあり、会員数は65名まで減少しており、今後の成り行きについては不透明なままですが、今後も会員勧誘に努力してまいります。

 私は、2012年から中小企業育成の職種でドミニカ共和国、2016年から経営管理の職種でアルゼンチンに各2年間派遣され、2018年に帰国しました。現役時代は海外販売と海外への事業展開という仕事を中心に、主に先進国で仕事をしておりましたので、JICAボランテイアとして経験した、ドミニカ共和国、アルゼンチンでの派遣業務、生活は発展途上国の抱える問題と文化の多様性を知り、自分の経験が多少なりとも夫々の国の企業の体質改善、競争力強化に貢献できたという実感が持てた点で、大変有意義であったと思います。帰国後は本会の「出前講座」や小学校での講座のなかで、地域の方々、生徒・学生の皆様に、この貴重な体験を通して感じた、世界の多様な人々の生活や文化、考え方を紹介し、多様性を理解し認めることや国際協力の大切さ、SDGsについてお話してきました。また、プライベートの面では、妻と一緒にスポーツや文化イベントを時々観賞してリフレッシュしたり、日本各地を旅行し、改めて日本の自然の美しさ、文化の豊かさを実感しています。

 今後は、他の役員の方々と共に、JICAにもご指導・ご鞭撻を仰ぎながら、会員のご要望も踏まえ、出前講座を通じた地域社会への経験・体験の還元や会員の親睦といった活動に注力し、進めてまいりたいと思いますので、宜しくご指導、ご協力を賜りたいと思います。最後に本会の益々の発展と会員の皆様のご健康を祈念しご挨拶とさせていただきます。

 令和5年6月吉日

千葉県JICAシニアボランティアの会
会長 中西 陽典